上の画像に赤い丸で囲ってあります。
それをCPUと言います。通の中では、プロセッサとも言います(私です)
諸注意
CPU内部に関する「レジスタ」などの技術的かつ専門的なことは本記事では、記述しません。今回は、自作やパソコン選びに役立つ部分のみ選別してご紹介いたします。
CPUとは、「Central・Processing・Unit」(セントラル・プロセッシング・ユニット)の略称であり、意味は「中央処理装置」のことで、パソコンの中に入っているHDDやパソコンに接続している機器(キーボード、マウス…etc)などの装置を動かすための中枢装置となります。
巷では、CPUを「頭脳」「頭部」と人間の一部に比喩されていることが多いですが、パーツ毎に人間を構成する部分を例えるのが難しいので、当サイトではデスクワークの環境で例に出します。
デスクワークをイメージすると、CPUの位置づけとして「人間」そのものです。デスクワークは、人間がやらないと仕事が終わらないように、パソコンもCPUが無ければ動きません。なので、CPUはコンピュータにとって無くては行けないパーツの一つになっています。
なので、CPUは手に乗る程度の大きさですが、パソコン全体の性能をCPUたった1つ(人間1人の能力)で決めてしまうほど重要な部分で、その性能差ゆえにだいたい「5000円から80000円」と価格の上下が激しいです。
CPUの構造(ソケットについて簡単に説明)
まず、CPU側から説明します。
※ Intel社製(左)表、(右)裏
裏面が中心部以外平べったいので、LGAパッケージ
※ AMD社製 (左)表、(右)裏
裏面が全体的にトゲトゲしているので、PGAパッケージ
表は、銀もしくは白い部分で種類(銘柄)、クロック数(周波数)、型番などが表記されています。上の画像のCPUは Intel製「Pentium」という銘柄で、周波数は「2.8GHz」です。
裏は、中心に四角い突起があります。周りにある金色の丸い点々(ランド)は、基盤のプリントの一部なので、ツルツルしてます。逆にマザーボードには、等間隔に突起があります。
この薄い幅の中に半導体(コア)というものが入っていて毎秒何万個という処理を電子と電子(電流)で行っていて、等間隔に置かれたランドと呼ばれる点が一つ一つ別の処理を交互にやり取りしています。
イメージ的には、「等間隔に空いた穴1つ1つが重複した処理を行わないダイヤグラム」が正しいでしょう。
下記の「パッケージ」と言うのは、基盤とプロセッサー(コア)が一緒になっていることを指します。本来、CPUだけ省略して呼ばれるのではなく「CPUパッケージ」と呼んだ方が正しいでしょう。
また他サイトでは、インテル製パーソナルコンピュータ向けCPUでPGAパッケージもあると言われていますが、それは嘘です。サーバーやワークステーション向けのCPUであれば、PGAパッケージもあります。
なので「AMDはPGAパッケージ」「IntelはLGAパッケージ」「Intel社製サーバ向けCPUはPGAパッケージ」と覚えておきましょう。
LGAパッケージ
この画像のようにCPUの裏面は平べったいものなので、取り付け部はとげとげしているものを指します。右のマザーボードのCPUソケットに取り付けます。両サイドの溝に合わせてピンの上に載せます。
CPUの裏面が平べったいので、ソケット側はトゲトゲしたものになっています。その分、CPUの取り付けは慎重に行わなければなりませんね。
現在の出回っているCPUの中で、Intel製品の一般PC(パーソナルコンピュータ)向けのCPU全体で使われているパッケージとなります。
この画像にあるCPUの裏側で、シリーズ毎にこのマザーボードにつける面(ソケット)が変わります。なので、対応するCPUのシリーズに合わせたマザーボードを選ばなくてはいけません。
PGAパッケージ
この画像のようにCPUの裏面がトゲトゲしたものなので、取り付け部は細かい穴が等間隔に空いているものを指します。右のマザーボードのCPUソケットに取り付けます。穴が開いていない部分に合わせると力を入れなくても上手く填まります。
CPUの裏面が縦・横等間隔に突起があるので、マザーボードのソケット側はその突起に合わせるように穴があいています。その穴に突起を上手く合わせておけばミスは少ないので、安心ですね。
現在の出回っているCPUの中で、AMD社製品とIntel社製品のサーバ・ワークステーション向けで主流なマザーボードにつける面(ソケット)です。LGAパッケージとは違い、シリーズ毎に形に変わりはなく、統一性があります。
CPU単体を変えることで回りを変えなきゃいけないというコストを回避できるので、業務用PCとしては優秀ですね。
CPUの性能を見る時に使われる用語
この項目は、CPUの性能を知るための用語をまとめています。お仕事や今後のパソコンを購入するとき後悔しないようにするための知識です。
この以下の数値や個数が多ければ多いほど性能は高いです。
クロック数
クロック数と言うのは、周波数のことです。物理でも習った振動数ですね!(Hz)この場合は、音の振動ではなくて電気の振動なのでお間違いなく。
※ 電流は、物体から物体まで移動するとき+と-を何回か入れ代わる現象があります。この現象のことを周波数と呼びます。
CPUは、電流の形を読み取って演算をするので1秒間にどれだけ読み取れるかが大切になってきます。
なので、例えば1GHzであれば1秒間に10億回読み取って演算できます。
読者の中では、「1秒間に10億回も計算できるなんてすごいではないか。」「1GHzでも機能的には大丈夫ではないか。」という感じで思われがちですが、現在の環境で1GHzだけでは十分とは言えません。
現在では、ソフトウェアがどんどん新しくなっていて、便利になる分、演算処理がリアルタイムで必要かつ多く求められます。
また、パソコンを起動しているだけでもバックグラウンドと言って待機中も1秒間に何億回と演算をしています。いざ、ソフトを起動するとなると常時フリーズして使い物になりません。(筆者の経験談)
なので最低限「2.6GHz以上」のCPUを購入することが好ましいです。
コア(コアの数)
コアとは、CPUで最も重要な部分で「人間=CPU」なら「脳=コア」になります。
コア数の表記が1つなら「シングルコア」、2つなら「デュアルコア」、3つなら「トリプルコア」、4つなら「クアッドコア」、6つなら「ヘキサコア」、8つなら「オクタコア」です。
また家電量販店の表記で、コアが単数なら「シングルコア」、複数なら「マルチコア」というのがあったので、覚えておきたいですね。
シングルコアとマルチコアの違い
ひとつだけの脳(シングルコア)とふたつもしくは複数の脳(マルチコア)なら、どちらが速く多くの仕事をこなせるかという違いになります。
2つソフトウェアを起動する時、シングルコアなら1つのソフトウェアを起動の作業してから次のソフトウェアの起動作業に移るのに対して、デュアルコア(マルチコア)なら2つ同時に起動できるようになります。
イメージ的には、作業の分担ができるわけです。
このマルチコアであるおかげで、多重起動によるフリーズも緩和されることになり仕事・作業の効率化にもなりますね。
回りくどく書きましたが、「マルチコアの方が断然高機能」です。
キャッシュ
CPUには、ごく少量ながらもメモリと同じ働きをする部分「キャッシュ」というのが内蔵されています。
昔は、そんなに重要視されていなかったようですが、現在はCPUの高機能化に伴い、重要視されている部分になっています。
というのも、CPUとメモリのやり取りの速度が同じ(同調)しなくてはならないところ、CPUが高機能になったおかげでCPUの処理が速すぎて同調できない現象が起きてしまったのです。
人間の行動で言うと「思考が速すぎて、その思考が拾えない(流れる)」です。
なので、この速すぎるCPUの思考を拾えるように、思考速度を遅くしてメインメモリでも拾える速さにする「キャッシュメモリ」という部分がCPUについたのです。
また、CPUが高速になればなるほど(サーバ用CPUなど)このキャッシュメモリの数が多くなります。
イメージ的には、衝撃を和らげる座布団です。
多ければ多いほど衝撃(速度)を吸収しますよね?
それと同じです。
ビット(Bit)
ここでは、より詳しいことは除いて最低限の簡単な知識だけを書きます。
まずCPUは、電流を読み取って演算すると前項で書きましたが、その電流の表し方を2進数で表されます。2進数というのは、有「1」、無「0」の二つで表されます。照明器具ならオンオフですよね。この表し方は、CPUだけなく機械全部の表し方になります。
また、この2進数は桁幅があり、この桁幅をビットと言います。昔は、32ビットが主流でしたが現在の新しく出るCPUは64ビットが主流になっています。
32ビットと64ビットの違い簡単に説明すると、命令の長さの違いです。64ビットが主流になったのは、例えば昔は「これ、やっといて」通じていたものが、現在は「これを〇〇領域で展開してこの結果持ってきて」というふうな指示しないと動けなくなっているのです。
これは、その分処理が複雑になったということです。情報の世界は便利になればなるほど、複雑さが増します。
違う切り口で説明すると32ビットは片言説明で時間がかかるのに対して、64ビットは流れる様に長く喋れるので時間がかかりません。
なので、64ビットを選ぶことは必然かと思われます。OSのビットとCPUのビットの違いOSはソフトウェアの命令幅に使われるかハードの命令幅に使われるかです。
CPUはパソコン全体の呼び出しに使うビットなので「CPUが32ビット」かつ「OSが64ビット」は、動かないので気をつけましょう。
理由は、ソフトウェアの一種であるOSがハードのCPUに対応できない命令を出されてあたふたしてしまうのが原因です。
逆に「CPUが64ビット」で「OSが32ビット」だと動きますが、CPUの64ビットの持ち味、潜在能力がフルに発揮されないので、宝の持ち腐れになってしまいますね。
なので、CPUを選ぶときに古いジャンク品であればOSは、32bitのものを選んだ方が無難かと思われます。
当サイトは、以上の理由から64bit版のCPUを推奨します。
CPUの種類
CPUの種類(銘柄)は、製造各社によって違います。また、種類ごとにある一定の能力値(性能値)、仕様で分けられているため用途は人それぞれで多岐にわたります。
私は読者様に対して何がお勧めなのかは、本ページでは申し上げられません。
なので、以下のページからそれぞれ比較したものをご用意いたしました。
ご参考までにどうぞ。
IntelとAMDのCPUを比較した記事
まず、パーソナルコンピュータのCPUを主に製造している2社である「Intel」と「AMD」の違いについてを比較してみました。
Intel社、AMD社それぞれのCPUを種類を比較してみました!
CPUの独自機能を知るために必要な用語
データバス(システムバス)
まず、バスとは「回路がデータをやり取りするための伝送路」のことです。
人間に例えると、神経に当たります。
昔は、FBS(Front Side Pass)と呼ばれるチップセットのシステムが主流でした。
CPU側とノースブリッチ(マザーボードあるチップセット)側がそれぞれアクセスし、共有していたため、チップセットのバスとCPUを合わせなくてはいけませんでした。
なので、合わせるために例えば「FSB 900MHz まで動作可能」と言うような制限があります。900MHz なのに1GHzのものをマザーボードに付けても動かないです。
しかし、現在はノースブリッジとCPUが独立したバスを持っているため、マザーボードのバスの型に合わせなくても良くなりました。
また、CPUにはバスクロックというバズ伝達速度がありますが、最近のは「3GT/S以上」なのが多いようです。
※ GT/S … 「Giga Transfer par second」1秒ごとにデータを何ギガ伝達できるかの単位です。この数値が多いければ多いほど、PC内部が高速に動きます。
ターボ・ブースト(コア)・テクノロジー
最近できた技術で、CPUを自動的に定格(シールに書いてある周波数の数字)より高速化する機能(仕様)です。
仕組みは、電圧を自動的に上げて周波数を上げています。しかし、CPUは熱を持つので決められた熱の温度より下だった場合のみ発動します。
この機能によって、CPUファンの重要性が一気に増したとも思われます。
Intel社製CPUの場合
ターボ・ブースト・テクノロジーと言います。
「Core i5」「Core i7」シリーズとサーバ用のCPUである「Xeon」シリーズに搭載されています。
AMD社製CPUの場合
ターボコアという名称という機能です。
基本的には、Intel社製と変わりませんが安価なCPUでもこの機能がついている場合があります。
ただし、AMD社の最新モデルに搭載されています。
ハイパースレッティング (Intel社製CPUの独自機能)
たまに売り場で「4コア8スレッド」とか、家電量販店でみますよね?
この「ハイパースレッティング」は、パイプライン処理の効率化を促進する課程の中で生み出された技術です。
※ パイプライン処理とは、コアごとの並列処理を指します。仕事(タスク)を分担して早く終わらせることができます。
高速化技術の一つで簡単に言うと「CPUのコアが仮想(分身)のCPUを1つ作り出し分担作業すること」です。
多分、クエスチョンマークがついていると思うので、分かるたとえ話をします。
某アニメの忍者が、分身の術をすると2人になりますよね?その分身と2人で実際(リアル)の仕事をすると早く終わるのと同じことがこの機能から言えます。
そうです。アニメと同じことが、CPUでは出来ちゃうことになりますね。
この機能は、伝達時間や消費電力の観点から「今後の処理速度を向上させる」なら最も必要です。なぜなら、コアごとの無駄な待機時間が減らせるメリットがあります。
というのも、例えば1つCPUが4コアだとするとハイパースレッティング無しのCPUだと1つの作業で、2つのコアが立ち上がり並列処理をします。(現代では、並列処理をするのが前提)
これは、1つ目のコアが担当した分担作業が2つ目のコアの分担作業に移るとき、コアは4つとも違う部屋にいるので、マザーボードのバス(部屋ごとをつなぐ廊下)を通り、伝達(仕事内容が渡される)されます。
また、1つ目のコアが、作業している間はいつ作業が来てもいい様に2つ目のコアはずっと待機しており、他の仕事ができないのです。
まさに、その仲介バスの時間がもったいないということですね。仮想なら同じ部屋にいるので「はい、これよろしく」みたいに口頭で言えます。
だから、速いのです。
CPUの性能をコントロールするために知るべき用語
CPUの性能を上げたり、CPUにかかる消費電力を抑えたりするときに使う用語を解説。
処理速度編
元からCPUには、自動車のエンジンと同じく処理速度にリミッターが課せられています。
CPUの定格性能値(リミッター上限)より、数値を上げて処理速度を上げることをクロックアップと言います。
オーバークロック
文字通り「周波数の上限を超えること」を指し「電圧を上げること」によって、周波数を上げます。
CPUは、それぞれ定格(パソコンに貼ってあるシール「Intel 2.66Ghz」など)を持っていますが、どんなに性能が低くて、安くてもオーバークロックはできます。
オーバークロックをやるには、排熱システムの確立(エアフローを考える)と電力供給の余裕が必要です。電圧を上げて、性能定格を超えるので熱量は多くなり、電源ワット数が少ないと途中で落ちてしまいます。
定格をBIOSで超えることができますが、「CPUに多く熱を持たせる」「電源ユニットのショート」になりCPU又はパソコン全体が破損する恐れがあるので、お勧めはしません。
ちょっとした憧れはありますが、その憧れと代償が大きすぎるなら辞めておいた方が無難です。
※ 当サイトでは、クロックアップの手法を載せますが自己責任でお願いします。
電力機能編
以下は、回りくどく正式名称で書いておりますが、一般的には「ノートパソコンに搭載されている省エネ機能」と変わりません。
それぞれのメーカーでこの省エネ機能の名称が違います。
「Intel社製CPUに搭載」… (エンハンスド)スピードステップ・テクノロジー
「AMD社製CPUに搭載」… クールンクワイエット・テクノロジー
この手の機能は、あまりお勧めしません。なぜなら、電圧を上げることによって処理が上がるのならば、消費電力を落とすと、処理が遅くなってしまうのは必然です。
パソコンを自作するためのCPUの用語
これを知っていれば、自作で間違うことは少ないかと思われます。
プロセスルール
一般的に製造プロセスのルールのことを指します。CPUの世界は、このルールが年々厳しくなるにつれて、高機能・高性能なものになります。(例えば、「1cm今年は、出来たから翌年は1mmなど」)
CPUのプロセスルールの中で一番重要視するべきものは「半導体の回路で使われる配線の細さ」です。
というのも、これが細かければ細かいほど空いた部分にコアやキャッシュがおけるようになるので、高性能になります。
家電量販店のCPU売り場で、「○○nmのプロセスルールに則った ~ 」など見かけたら確認してみたらいかがでしょうか?
TDP 最大発熱の数値
TDP … 「Thermal(サーマル)・Design(デザイン)・Power(パワー)」で、CPUの設計段階で想定される最大放熱量のこと。
CPUの発熱する温度を前もって知れるので、エアフローの規模を考える時の判断材料になります。発熱が標準より高ければ「水冷システム」、低いまたはほぼ同じ温度であれば「空冷システム」というふうに考えられます。
たった2つの選択肢と思いますが、これによってCPUが安定するかしないかを決めかねない大きくかつ重い選択なので、慎重に選びましょう。
まとめ
最後に、CPUの選び方のキーワードは「クロック数:2.6Ghz以上」「コア数:2つ以上」「ビット数はOSと合わせる」「TDPを見ておく」です。
このキーワードに沿ってCPU、この条件に合うCPUが付いたパソコンを選べば、間違いは少ないかと思われます。
またパソコンのCPUで使われる用語は、これからの仕事やプライベートで使う時が来ることでしょう。